義肢装具自立支援学科ゼミ紹介
義肢装具自立支援学科 メニュー
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※学生の在籍学年は2021年度在籍時のものです。
江原ゼミ
ヒトの動作の優れたメカニズムに関する研究

江原 義弘
Yoshihiro Ehara
教授
本ゼミでは、ヒトの運動・動作を三次元動作解析装置でコンピュータに取り込み、重心の動きや床からの反作用、筋活動の変化などを研究しています。研究をしていると、ふだんの何気ない動きの裏に、優れたメカニズムが隠れていたことに気づきます。身体が切断されたり麻痺してしまうと、その優れた機能が生かされないことになり生活に支障が出てしまうのですが、それを補うために日々開発されている義肢装具は、健常者の優れた動きのメカニズムの研究や分析結果を用いて製作されています。今後も、義肢装具を必要とする人々のQOL向上に繋げる活動を行っていきます。

義肢装具自立支援学科4年
渡邉 裕天
山形県
山形城北高校出身
私は、義足使用者の方向変換動作の際に発生する回旋の研究を、人の身体の動きを細かく見ることができる「三次元動作解析装置」を用いて行いました。どのような方向変換動作であれば切断端に無理な回旋がかからないかを見つけるためです。研究で得たことを将来、臨床現場で役立て、患者様のQOL向上に貢献できればと思います。
<ゼミの研究内容例>
- 義足の衝撃吸収能力に関する研究
- 立ち座りの際に使用する手すりの効果に関する研究
- 介助する側・される側の効率的な介助法に関する研究
村山ゼミ
脳卒中患者の装具療法に関する研究

村山 稔
Minoru Murayama
講師
本ゼミでは、脳卒中患者の装具療法について研究しています。脳卒中の後遺症により下肢の運動が麻痺してしまった患者さんに対して、下肢装具を使用することで安全で効率よく歩行練習が可能になります。義肢装具士は装具や補助具など「モノ」によって歩行練習の支援を行います。現在、様々な装具や補助具が使用されていますが、患者さんや歩行練習を実施する理学療法士からは問題点や更なる改良の要望も聞かれます。そこで、この問題点を解決するための装具の改良や補助具の考案を行い、装具療法に役立てることを目的としています。柔軟な発想とアイデアを形にする研究開発の手法をともに学びましょう。

義肢装具自立支援学科4年
橋本 いづみ
石川県
鵬学園高校出身
私は、ハイヒールが足に及ぼす影響について、足底にかかる圧力や、立っている時の体の揺れなどの視点から研究しました。結果として日頃からハイヒールを履いている人は、履いていない人に比べ、かかと部分の足底の圧力と不安定性がともに高いという特徴が見られました。今後、この研究が足に負担の少ない靴の開発に役立てられればと思います。
<ゼミの研究内容例>
- プラスチック短下肢装具に使用する内反矯正ストラップに関する研究
- プラスチック短下肢装具の角度設定と歩行時の安定性に関する研究
- 短下肢装具に使用する膝伸展補助具の効果検証に関する研究
神田ゼミ
腰痛・頚部痛などの脊柱疾患

神田 賢
Masaru Kanda
講師
あなたは、腰痛や肩こりを経験したことはありますか?多くの人が腰痛や肩こりに悩んでおり、今や「国民病」ともいえるほどです。しかしながら、腰痛や肩こりがなぜ発生するのか、どのように予防したらいいのかは、未だにはっきり分かっていません。その一方で、腰痛には、「腰の筋肉の血流循環」が関わっていること、肩こりには、「首の前の筋肉の持久力」が関わっていることが少しずつわかってきました。本ゼミでは、病院と連携し、「腰痛」や「肩こり」、「腰曲がり」の研究を行っています。あなたも、我々と一緒に、これらの疑問を明らかにしてみませんか?

義肢装具自立支援学科4年
上脇 寿人
長野県
辰野高校出身
神田ゼミでは、ソケット適合について3Dスキャナーを用いた研究活動を行っています。私は、大腿切断者が日常的に使用しているソケットと、切断端に力を入れた時の形状の変化がどのように影響を及ぼしているのかを明らかにする研究を行いました。研究で得たことを将来患者様の装具を製作する際に活かしていければと思います。
<ゼミの研究内容例>
- 大腿切断者の筋収縮時および筋弛緩時の断端周径変化によるソケット適合に関する研究
- 日常用義足とスポーツ用義足の日常動作での比較に関する研究
- 異なる座位姿勢における動画視聴時の姿勢の経時的変化に関する研究
須田ゼミ
義肢装具の適合と評価に関する研究

須田 裕紀
Hironori Suda
講師
本ゼミでは、歪計測や圧力計測、動作分析などを用いて、義肢装具や福祉用具におけるヒトとモノの適合・評価に関する研究をしています。研究では、他大学や企業とも共同で研究を行い、他分野との連携と臨床的な研究を推進しています。ゼミ活動では、研究を通して探求することの楽しさを学び、物事の本質を考え、問題発見・解決する能力を身につけられるよう取り組んでいます。義肢装具士は対象者を包括的に捉え、義肢や装具、福祉用具を適合・評価することが求められます。そのため、「起きている現象の本質と根本を探究し、問題や課題に気づいて解決する能力」が必要であると考えます。
<ゼミの研究内容例>
- 義足パーツの位置関係(アライメント)とソケット適合の評価に関する研究
- 3Dスキャナー・3Dプリンターを用いた義肢装具の開発と評価に関する研究
- 能動義手のコントロールケーブルの操作効率に関する研究
前田ゼミ
車いすの座位姿勢評価と適合に関する研究

前田 雄
Yu Maeda
講師
本ゼミでは、座っている姿勢を3次元的にみる座位姿勢計測機や座る面にかかる圧力を視覚化できる圧力分布測定器などを用いて、車いす座位の姿勢評価と適合に関する研究をしています。車いすの不適合は、車いすの問題とユーザーの問題の「相互作用」によって生じるため、どちらかだけを評価しても原因を追究することはできません。現在は企業とも連携をして研究に必要な定量データを集め、ユーザーがより快適に車いすを利用できるよう研究を進めています。そしてゼミでの研究を通して、学生がこれまでとは異なる新しい視点を持ち、分析するスキルを高めることを目標としています。
<ゼミの研究内容例>
- 義足歩行時の適合に関する研究
- 義肢装具採型・製作に用いる3D技術に関する研究
- 下肢装具に使用する材料特性に関する研究
佐藤ゼミ
女性切断者の月経周期変化に関する研究

佐藤 未希
Miki Sato
助教
義足の快適性を高めるためには、義足と切断端を接合する“義足ソケット”の適合が重要となります。女性の皆さんは特に「一日の中で足がむくむ」、「月経周期によって足がむくむ」という経験をしたことはありませんか?健常者に起こる問題は、義足使用者にも起こることが予想され、実際に女性切断者は男性切断者と比べ、義足ソケットの不調を訴えやすいとされています。切断者に義足を提供する義肢装具士も、女性切断者に対する研究根拠が少ないため、苦慮しています。そこで、本ゼミでは主として女性の義肢装具使用者の問題や課題に着目し、探求心を持ち研究に取り組んでいます。
<ゼミの研究内容例>
- 日内でのむくみが義足に与える影響に関する研究
- 義足膝継手の歩行分析・評価に関する研究
- スポーツ義足使用者の切断端変化に関する研究
阿部ゼミ
足・靴・歩行に関する研究

阿部 薫
Kaoru Abe
教授
片足の足裏は体表面積の1%しかなく、この狭い面積2つ分でヒトは立つ・歩く・走ることを行っています。ヒトは2本足で立っているので、ビルなどの建物と同じように土台が少し傾くと上部では大きく影響を受けます。したがって、足の状態を靴やインソールで調整すると、立位や歩行を改善することができます。この理論を応用することで、スポーツシューズで記録を伸ばすことやパフォーマンスを向上させること、また、ハイヒール・パンプスのようなおしゃれ靴も楽に履くことができるようになります。足・靴・歩行に興味のある方は、ぜひ本ゼミで一緒に学びましょう!
<ゼミの研究内容例>
- 下腿形状における違和感のない義足の外観形状の検討
- 異なる足部形状による内側縦アーチの最適値の検討
- 三次元足型計測器を用いたヒール高別による足部形態変化の検討に関する研究
郷ゼミ
3D機器を用いた義足の適合に関する研究

郷 貴博
Takahiro Go
講師
良い義肢装具を提供するためには、精密に材料を加工したり的確に義足のバランスを調整したりする必要があります。従来はこれを義肢装具士の経験則で行ってきましたが、最近では3Dスキャナや3Dプリンタを活用し、より多くの方に迅速かつ質の高い義肢装具を提供することが理想とされています。本ゼミでは、このような3D技術を活用した義足製作・適合を可能にするための基礎研究を行うことに加え、その実現に向け、新潟県内外の関連企業とともに共同研究・開発も行っています。興味のあることを調べ、その成果が対象者の利益に繋がることが、研究の面白さとやりがいだと感じています。
<ゼミの研究内容例>
- 義足の歩行分析・評価に関する研究
- 義足のソケット適合に関する研究
- 3D機器を活用した義肢装具のデザインに関する研究
東江ゼミ
義足ソケットに関する研究

東江 由起夫
Yukio Agarie
教授
本ゼミでは、義肢装具士の専門性をより高めるために、義肢装具領域におけるエビデンス(科学的根拠に基づく義肢装具のアプローチ)の発展・展開を目指して様々な研究活動を行っています。さらに現在は、義足と生体を繋ぐ義足ソケットの適合とデザインに関する研究・開発や、より適合を高める義足ソケット製作技術向上にも着手し、これらの技術が日本から世界に向けて発信できるよう、ゼミ生と共に日々研究に取り組んでいます。本ゼミから、世界で活躍する義肢装具士を輩出する日が来ると信じています。