はり師・きゅう師(国家資格)

東洋医学にもとづき「はり・きゅう」を使い、体のツボを刺激し人間本来が持つ自然治癒力を高める治療を行う専門職。

はり師・きゅう師の仕事

はり師・きゅう師イメージ

東洋医学に基づき、はり師は身体のツボを鍼(はり)で刺激し、きゅう師はツボを灸(きゅう)で暖めることで、人間の自然治癒力を活性化させて病気の治療や予防を行います。はり師ときゅう師は別々の資格になりますが、両方の施術を行う人が多いため鍼灸師と呼ばれています。副作用がなく、身体に優しい治療を施せる鍼灸師は、医療の現場にとどまらずスポーツや介護・福祉、美容業界でもニーズが高く、様々なフィールドで活躍することができます。また原因を特定できない身体のだるさや慢性的な生活習慣病、病気になる前の未病に対して対応できるのも特徴です。

はり師・きゅう師になるには

国家試験に合格すると免許が与えられます。国家試験の受験資格を得るには次のような方法があります。

  • 1、大学入学資格がある者で、文部科学大臣が指定した学校が厚生労働大臣の指定した鍼灸師養成施設において、3年以上、鍼灸師として必要な知識および技能を修得した者(修業または卒業見込みの者を含む)

主な活躍の場

  • 病院など医療機関
  • 鍼灸院
  • 鍼灸整骨院
  • スポーツ関連施設
  • 美容鍼灸サロン
  • 社会福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 訪問鍼灸
  • 在宅施設
  • 独立開業

WHOの発表により、世界的に鍼灸師のニーズが高まっています。

鍼灸師は赤ちゃんから高齢者、スポーツ選手や女性など幅広い方を対象にしています。また様々な症状に対しても有効で、肩こり、腰痛、便秘、胃炎、気管支喘息、鼻炎、冷え性、月経痛、不妊、メニエール病、不眠症、自律神経失調症、アトピー性皮膚炎などが対象になります。1979年にはWHOが鍼灸治療の適応疾患43疾患を発表し、その後大学病院での医学部教育課程に東洋医学が取り入られるようになるなど、日に日に重要性が高まっています。西洋医学では手の届かない症状にアプローチできるグローバル医学として鍼灸が認識され、日本や中国、韓国といった東アジアの国だけでなく、欧米の国々でも高い評価が得られ研究が進められています。