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【臨床技術学科】微生物的検査とATP測定による透析監視装置配管の汚染状況の調査について!学生らによる研究が学会で表彰されました!

この度、新潟医療福祉大学 医療技術学部 臨床技術学科 高橋 凜さん、新潟医療福祉大学 臨床技術学科 髙橋 良光准教授らの研究グループは、透析監視装置におけるプライミングロートの洗浄前後の細菌汚染状況を調査するために、微生物的検査とATP・ADP・AMP測定を行い洗浄後の変化を報告しました。
また、本研究成果は、埼玉臨床工学会(6月4日付)で学生演題優秀賞として表彰されました。

           新潟医療福祉大学 医療技術学部 臨床技術学科 高橋 凜さん

研究成果のポイント
【題目】透析監視装置におけるプライミングロートの細菌汚染の状況調査
1.ガイドラインには掲載されていない透析液配管について、洗浄前後の汚れ状況の調査を行いました。
2.微生物的検査とATP・ADP・AMPの測定を行うことでより厳密な汚染状況を把握することができました。

【研究概要】
透析患者に必要不可欠な透析液を送液するための透析液配管の洗浄は、透析液清浄化ガイドラインVer.2.01に記載がある通り、規定されています。その一方で、排液側にあるプライミングロートの洗浄方法は確立されておらず、各病院の洗浄方法に依存していることから、このプライミングロート部分は清潔に保たれていない可能性があります。その理由の一つは、プライミングロート内に貯留した液体が濁っていたり、黒く変色した状況があることから配管内にはバイオフィルムや菌が繁殖している可能性があると考えました。そこで、洗浄していない現状のプライミングロートの状況を把握するために、微生物的検査とATP・ADP・AMPを測定し、洗浄後にどのような変化をきたすか検討しました。結果は、洗浄後に微生物とATP・ADP・AMP値はほぼ減少しましたが、一部の条件ではATP・ADP・AMP値が上昇するなど洗浄することにより、有機物の反応性が高まる場合があることが分かりました。このことは、これまで微生物的な検査だけを行った場合では把握することはできませんでした。
この評価方法は、臨床現場で簡便な検査項目として利用できる可能性があることから、今後は洗浄方法や検査部位を変えるなどして洗浄効果を評価していきたいと考えています。

■学会に参加した感想はこちら
透析監視装置におけるプライミングロートの細菌汚染状況について発表しました。初めての学会ということもあり、事前準備などは大変でしたが、貴重な経験になりました。しかし、質疑応答で言葉に詰まってしまったことや、うまく説明できなかったことが今後の課題だと感じました。
埼玉臨床工学会は臨床現場で働く臨床工学技士や、臨床工学技士を目指す学生などが参加しており、演題の他にセミナーなども開催されていました。群馬パース大学の斎藤慎先生による「よくわかる透析条件設定」についての発表はとても勉強になりました。また、他大学の学生と交流できたことはいい刺激となりました。
今回、学生セッションで優秀演題賞を受賞することができました。まだまだ改善点はありますが、今後も機会があれば積極的に学会に参加していきたいと思います。

研究に関する問い合わせ先
髙橋 良光(たかはし よしみつ)
新潟医療福祉大学 医療技術学部 臨床技術学科 准教授
〒950-3198 新潟県新潟市北区島見町1398番地
E-mail: yoshimitsu-takahashi@nuhw.ac.jp  TEL: 025-257-4408
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