新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんの入学を、教職員一同、心から歓迎します。ご臨席を頂きました保護者・ご家族の皆様もさぞお喜びのことと存じます。ご子息、ご息女のご入学を、心からお祝い申し上げます。
今日、新潟医療福祉大学に入学した皆さんは、先生から教えを受ける、受け身の「生徒」ではなくなり、自ら学業を修めるという生き方をする「学生」となりました。大学で学ぶことは、教師から学び習う「学習」ではなく、自ら学び修める「学修」と書きます。18歳からはすでに「成人」ですが、より主体的に、自ら学ぶ「大人」としての自覚が求められる立場になったのです。
皆さんは「誰かの役に立ちたい」と望み、そのために必要なパワーを身につけるという明確な目的を持って、新潟医療福祉大学に入学したのだと思います。誰かの役に立つために、まず、新潟医療福祉大学の「学生」として、「学修」する習慣を速やかに身につけましょう。
皆さんには誰かの役に立つという明確な目標があります。大学の生活を謳歌するとともに、自分の将来の目標はどこにあるのか、その目標に対して自分はどれくらいの達成度・到達度にあるのかを節目節目に確かめましょう。
各学科にはDiploma Policy(DP)が設定されています。DPとは、卒業認定や学位授与のための要件、つまり、卒業までにどのような能力を修得する必要があるのかを示したものです。このDPの達成を目標として、各学科のカリキュラムが組まれています。これからはDPに対する達成度・到達度を指導教員とともに確認することを習慣としましょう。
新潟医療福祉大学の特色は何かと問われたら、私は連携と協働について学ぶ上で、最も適した環境にあることと答えています。では、なぜ連携と協働なのでしょう。
新潟医療福祉大学は保健・医療・福祉とスポーツの分野に特化した総合大学ですが、これらの分野でも、人口の一層の減少に伴い、大きな変革が想定されています。医療の分野では、外来診療は新潟県内ではすでに全ての地域で減少しています。入院診療は新潟市と長岡市の周辺ではまだ2035年まで増加すると見込まれますが、それ以降は減少します。従来の病院を基盤とした医療は、人口の減少とともに成り立たなくなり、医師は拠点となる医療施設に集約されます。その一方、2040年を迎えても、新潟県では佐渡を除き、在宅医療・訪問医療の需要は増加すると見込まれています。地域で住民の健康を維持する役割は、保健師・リハビリ関係の専門職・管理栄養士・社会福祉士などのさまざまな専門職がチームを組み、連携・協働して担うことになります。このような時代がもう間近に迫っているのです。生成AIの利活用は、さらに進むでしょう。ですから、これから医療福祉、あるいはスポーツの分野で必要不可欠となる人材は、汎用AIを賢く使いこなし、多くの専門職と連携・協働して、地域住民の健康を支え、ニーズに応えることができる専門職なのです。
地域で生活する人たちを支える仕組みとしては、現在、この図のような体制が想定されています。地域包括ケア体制と呼ばれてきましたが、新しい法律ができて「地域共生社会」という呼び方になりました。
地域の真ん中に「住まい」があります。クライアントが長年住み慣れて、これからも出来る限り住み続けたい住まいです。この住まいでの生活を支えるために、図の下に書き込まれているように、日常生活をサポートし、医療や介護が必要にならないように予防に取組みます。医療が必要になれば、左上のように医療機関と連携します。介護が必要になれば、右上のように介護の機関と連携します。
このような体制の中では、すでにさまざまな職種の専門職が多数働いていますから、専門職同士の連携と協働が必要になるのです。この時、最も重要なのは、お互いを尊重し合い、支え合うことです。Mutual respect, mutual supportという標語をこれからは意識してください。
医療・福祉の分野では、将来に不安を抱かせるようなニュースが続いていますが、新潟医療福祉大学でしっかりと学び、このような専門職を目指して、地域社会に貢献できる人材となれば、将来に心配はありません。
皆さんの大学生活が豊かで実り多きものとなるよう、われわれ教員・職員は皆さんを全力でサポートします。新潟医療福祉大学の建学の精神の第一に掲げられた「優れたQOLサポーター」となって地域で輝くという未来を目指して、有意義な大学生活を送ってください。
2026年4月8日 新潟医療福祉大学学長 西澤正豊