診断・治療・予防に欠かせない身体の検査の専門職
医療機関において患者様から採取した血液や尿を検査する「検体検査」、心電図や脳波などを検査する「生理学的検査」など、さまざまな検査業務を行います。検査結果は病気の予防や発見など、治療に直接関わる重要なデータとなります。
医療技術学部
Department of Clinical Engineering and Medical Technology 臨床技術学科
臨床検査技師(国家資格)
医療機関において患者様から採取した血液や尿を検査する「検体検査」、心電図や脳波などを検査する「生理学的検査」など、さまざまな検査業務を行います。検査結果は病気の予防や発見など、治療に直接関わる重要なデータとなります。
主に病院等の医療機関において、患者様から採取した血液や尿を検査する「検体検査」、身体に検査装置を装着して心電図や脳波などを検査する「生理学的検査」など、さまざまな検査業務を行います。これらの検査結果は、病気の予防や発見、治療方針の決定、治療効果の測定など、治療に直接関わる重要なデータとなるため、「チーム医療」の一員としてその活躍がますます求められています。また近年では、最新の検査機器を用いた遺伝子検査や移植治療の検査も行うなど、高度な検査技術に加え、検査機器に関する知識を有した人材が求められています。
現在、8割近くの検査が機械で行われています。また近年では、より高度な検査機器を用いた遺伝子検査や移植治療の検査が行われるなど、臨床検査技師には検査技術に加え、検査機器に関する知識を有した人材が求められています。また、メタボ健診をはじめ、病気予防のための検査が注目され、医療機関はもちろん健診センターや食品・栄養分野など、幅広いフィールドでそのニーズが高まっています。
国家試験に合格すると免許が与えられます。国家試験の受験資格を得るには次のような方法があります。
貧血や炎症について調べる血液検査、採取した臓器や細胞からがん細胞の有無を調べる病理検査、DNA の情報を調べて体質や病気のリスクを検査する遺伝子検査を行います。
心疾患の診断などにつながる心電図や心音図といった心臓に関する検査、頭に電極を装着して脳の電気信号で腫瘍などを調べる脳波検査、身体に超音波を当てて臓器や胎児などの状態を調べるエコー検査などの検査を行います。

Case1
病院などの医療機関
医師の指示の下で病気の診断に必要な検査を行います。医療スタッフや患者様と接するためコミュニケーションも必要になってきます。
椎谷 直樹
| 卒業年 | :2017年3月 |
|---|---|
| 出身高校 | :新潟県・市立高志高校 |
| 勤務先 | :タムス浦安病院 |
| 職種・職位・資格 | :臨床検査技師・臨床工学技士 |
私は現在、回復期リハビリテーション病棟にて勤務しています。この病棟は、急性期病院で骨折や脳梗塞などの治療・手術後、機能回復のリハビリをするために患者様が転院されてきます。手術後は体の中に血栓ができやすく、血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞になってしまう場合があるため、動静脈を検査し、血管を形態と機能の両面でとらえ疾患を調べる、血管エコー検査を行っています。臨床検査技師として病気を未然に防げるよう業務に励んでいます。
Case2
健診センター・検査センター
病院やクリニックから送られてきた検体の検査を行ったり、病気の発見や予防に努めるための検査を実施します。
Case3
治験、企業( 試薬メーカー)
試薬の品質管理や医薬品開発、治験コーディネーターなど臨床検査技師の資格を生かして企業で働く道もあります。
臨床工学技士(国家資格)
“人工呼吸器”や“人工心肺装置”、透析治療などの「生命維持管理装置」を操作し、治療や患者管理に直接関わります。また、医療機器を安全に活用するための保守・管理業務を行います。日々、科学技術の発展にともないハイテク化が進む医療現場で、そのニーズはますます高まっています。
科学技術の発展にともない、ハイテク化が進む医療機器・装置の操作・点検・管理を行うスペシャリストです。心臓手術などで使用する"人工心肺装置"、透析治療などで使用する"血液浄化装置"などの「生命維持管理装置」を操作し、医師とともに治療や患者管理に直接関わります。他にも、人工呼吸器やペースメーカーなど、さまざまな医療機器・装置を安全に効果的に活用するための保守・管理業務を行います。日々、高度化する医療現場で、医学と工学の知識・技術をあわせ持つ医療スタッフとして、そのニーズはますます高まっています。
医療機器は日進月歩で発展を遂げています。あらゆる医療機器・装置を安全に効果的に活用するための操作・保守点検・管理業務を行う専門家である臨床工学技士へのニーズは年々増加傾向にあり、多くの養成校で毎年ほぼ100%の就職率を達成しています。さらに高度化する医療現場において、医学と機器操作のスキルを併せ持つ医療スタッフとして、その役割はますます高まっています。
国家試験に合格すると免許が与えられます。国家試験の受験資格を得るには次のような方法があります。
自分で上手く呼吸ができなくなった患者様に人工呼吸器を導入し、血中の酸素・二酸化炭素濃度を良好に保ちます。機器を使用している患者様のもとを回って、異常がないかなどの確認やメンテナンス・管理も行います。
慢性腎不全など腎機能が低下した患者様に対して行われる人工透析(血液透析)が一般的です。体内に貯まった老廃物を排泄したり、代謝の機能が働かなくなった場合に、透析・ろ過などの方法で老廃物や毒素を取り除いたり、水分量や電解質を調整したりします。
先端に超小型カメラを取り付けた細い管を口や鼻、肛門から挿入し、胃・十二指腸・大腸の検査を行います。胃がんや大腸がんの早期発見に有効です。

Case1
病院などの医療機関
医療機器の専門職である臨床工学技士は、病院内で医師や看護師、各種の医療職と連携し、生命維持装置の操作などを担当します。また、医療機器がいつでも安心して使用できるように保守・点検も行い、安全性と確保と有効性維持に貢献します。
涌井 奈央
| 卒業年 | :2021年3月卒業 |
|---|---|
| 出身高校 | :長野県・須坂高校 |
| 勤務先 | :長野医療生活協同組合 長野中央病院 |
| 職種・職位・資格 | :臨床工学技士・臨床検査技師 |
私は現在、臨床工学技士として、主に医療機器全般のメンテナンスや造影検査、PTA(風船付きカテーテルを用いて血管のつまりを治す治療)などで医師の補助を行っています。臨床工学技士は、オペ室、透析室、内視鏡室など、分野により業務内容が異なっており、私は腎機能が低下した患者さんに対して「透析治療」を行っています。「透析治療」は患者様の血液を一度体外に取り出し、人工腎臓のフィルターを介して老廃物や余分な水分を取りのぞくため、患者様への針刺しや、機械の操作が主な業務となります。加えて、血液検査の結果報告や食事について話をする機会が多いのも、この仕事の特徴です。患者様の不安を少しでも取りのぞけるように、一人ひとりに合わせた接し方を心がけています。
Case2
透析クリニック
糖尿病などで腎不全の患者様に対して、人工透析を行います。人工透析装置の操作・保守点検を行う臨床工学技士が不可欠となっています。
Case3
医療機器メーカー
臨床工学技士の知識や経験を生かして、病院やクリニックなどの顧客に自分の会社の医療機器の魅力や操作方法を説明し、販売をサポートします。