作業療法の基礎から応用・発展まで段階的に学べる重層的なカリキュラム
医療系専門職を目指す大学生として幅広い教養を身につけるとともに、専門基礎科目を通して解剖学・生理学などの基礎医学を学びます。専門専攻科目では、基礎運動学により人間の運動の基礎を学習し、作業療法概論や基礎作業学などを通じて作業療法の基礎的な知識・技術を修得します。
また、身体障害・精神障害・高齢期障害・発達障害の各領域における作業療法士の仕事と役割を理解するために病院や施設への見学実習を実施します。
2年次の専門基礎科目ではリハビリテーション医学・小児科学・内科学・整形外科学・精神医学・神経科学などの臨床医学を学びます。また、専門専攻科目にて対象者の専門的理解に必要な作業療法評価や日常生活活動における基礎的知識と技術を修得します。その他に、医療専門職としての接遇やコミュニケーションを経験し、作業療法業務の流れを理解するために体験実習を実施します。
3年次の専門専攻科目では、身体障害・精神障害・高齢期障害・発達障害の各領域における評価・治療技術など、より発展的な学習を行います。修得した作業療法評価の知識・技術を実際場面で実践するために、実習指導者の指導を受けながら、病院や施設で評価実習を実施します。また、卒業研究に向けて各ゼミ教員の指導のもとで研究方法を学びます。
全国の病院や施設で総合臨床実習を実施します。実習指導者の指導を受けながら、対象者への評価から治療・支援までを実践し、医療人としての心構えも学んでいくことで、作業療法士として必要な資質をより高めていきます。実習終了後は、国家試験対策や卒業研究を行います。
※2021年度入学生用のカリキュラム予定であり、変更となる場合があります。(2020年3月31日現在)
脳や脊髄などを損傷すると、麻痺などにより手足を動かしづらくなり、ふだん私たちが何気なく送っている日常生活に支障をきたすことがあります。この科目では、基礎医学の知識を発展させて日常生活を送るために必要な身体的能力、またその能力を向上させるために必要な技術を学びます。
高齢期になると、加齢に伴う心身機能の障害が生じ、自立した生活に支障をきたすことがあります。この科目では、高齢期における心身機能障害が生活にどのように影響をするかを理解し、実際の現場で必要となる障害予防、生活機能改善、余暇活動支援などの治療・援助技術を修得します。
この科目では、障害を抱えて生活する子どもとその保護者がより良く暮らすための支援方法として、治療理論や技術を学びます。また、作業療法士は、特別支援教育への関わりも求められるため、医学的な知識だけでなく小・中学校教員との連携や関連する制度についても学びます。
精神障害に対する作業療法の基本的な考え方を学びます。この科目では、精神状態の回復やライフサイクルを考えながら、作業療法士として対象者に対してどのような回復支援や生活支援ができるかを理解します。精神保健福祉や作業療法の歴史的な流れから精神作業療法の理解を深めます。
ふだん私たちは何気なく日常生活を送っていますが、脳や脊髄などが損傷されると、手足を動かしづらくなるばかりでなく、ふだんの日常生活動作に支障をきたします。基礎医学の知識を発展させて専門的な知識を深め、日常生活動作や生活関連活動の分析の仕方、対象者への支援・指導方法などを学習します。
身体に障害のある対象者の中でも、主に手の外科を中心とした整形疾患の作業療法について学びます。この分野では手術を行うことが多く、手術前後に適切なセラピィを行わなければ、筋力低下や関節可動範囲の減少などを生じさせ、日常生活に支障をきたしてしまいます。授業では、1、2年時で習得した基礎医学の知識を発展させて専門的な知識を深めます。また専門的な知識を基に対象者の評価・治療・援助の技法を学習します。
精神障害のある対象者に対して、作業療法を行う際に必要な評価の知識や態度を身につけます。作業療法士が対象者と共に時間を過ごしたり、作業活動することを通じて行われる評価についても学んでいきます。
作業療法の根幹ともいうべき、様々な「作業活動」を実際に行いながら、それを治療的に応用していくことを経験します。また、集団単位、個別単位で作業療法を実施する方法やレクリエーション活動の実際も具体的に学んでいきます。さらに作業療法教授法も修得します。