チーム医療・ケアとは
保健・医療・福祉・スポーツの現場では、対象者一人ひとりに合わせた質の高いサービスを提供するために、様々な専門職が一つのチームを形成し、連携・協働しながら治療やケアを行います。多職種間で連携をすることで、各専門職による支援に加え、それぞれの専門性や視点を取り入れた包括的なプランに基づく支援が可能となり、患者や対象者一人ひとりの希望に沿った、きめ細かい治療やケアを実践することができます。

POINT!
卒業生の就職先の医療福祉施設などを対象に行った2019年度の調査※では、「円滑なチームワークや健全な人間関係を築くことができる」が医療福祉施設などが求める能力の第1位となっています。すなわち、医療の現場において、「チーム医療・ケア」を実践する能力が求められているということになります。本学卒業生の印象の第1位は採用先が求める能力と一致しており、本学での学びや実践的な取り組みが、社会が求める能力の形成に繋がっていると考えられます。
※2016年3月卒業生の採用実績が1名以上ある全国の医療福祉施設など958施設1,859名を対象にした本学卒業生に関するアンケート調査。
イラストで見る「チーム医療・ケア」
脳卒中で倒れたケースを例に、
救急搬送、検査・診断・手術、入院・リハビリ、退院・社会復帰までの各ステップでどのような専門職が、どのような連携をしているのかについて紹介します。
脳卒中で倒れたケース
脳卒中を発症すると手足の痺れや意識障害などの症状に加え、言語障害や半身麻痺などの後遺症が残るリスクも生じます。そのため、手術から入院・リハビリ・社会復帰までの場面で、多様な専門職のサポートが必要となり、専門職同士で連携しながら、きめ細やかなケアを行います。
STEP1救急搬送
救急救命士が容態を確認し、救急救命処置を行いながら病院へ搬送します。搬送先の病院では医師や看護師、医療事務スタッフなどが連携し、受入対応を行います。
STEP 2検査・診断・手術
診療放射線技師はX線撮影などで身体内部を検査し、臨床検査技師は血液や脳波などの検査を行います。医師は検査結果をもとに、診断や手術・処置を行います。
STEP 3入院・リハビリ
術後の状態や投薬の効果などを確認するため様々な検査を行い、容態に応じたケアやリハビリを行います。看護師を中心に、様々な専門職が患者情報を共有し、連携しながら支援プランを作成し、必要なサポートを「チーム」で行います。
STEP4退院・社会復帰
退院後の社会復帰に向けた様々な不安に対し、各専門職が連携し、安心して日常生活が送れるよう支援を行います。後遺症により、退院後も生活動作などで不便が生じる場合、訪問リハビリや生活指導を行い日常生活のサポートをします。