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【作業療法】経皮的耳介迷走神経刺激が記憶に及ぼす影響を検証!

2025.12.09 新着情報 研究情報

作業療法学科の安中裕紀助教と4年生の齊藤美咲さんが、経皮的耳介迷走神経刺激が記憶に与える影響を検証する研究を行いました。
その結果、経皮的耳介迷走神経刺激により記憶が向上することが判明し、記憶向上を目的とした治療法として有用である可能性があることが明らかになりました。
この研究成果は、国際誌 「Experimental Brain Research」(2025.10.5) に掲載されました。

 

◆研究概要
本研究は、健常成人を対象に経皮的耳介迷走神経刺激が記憶に及ぼす効果を検証しました。検証の結果、経皮的耳介迷走神経刺激後に記憶が向上することが明らかとなりました。
本研究は作業療法学科22期生の齊藤美咲さんとの共同研究になります。

◆研究成果のポイント
①経皮的耳介迷走神経刺激が記憶を向上させる。
経皮的耳介迷走神経刺激により認知機能が向上することを知られていますが、記憶に対する効果は十分に明らかとなっていませんでした。
本研究は偽刺激時と比較して、経皮的耳介迷走神経刺激時に記憶課題の正答数と反応時間が向上することを明らかとしました。

➁経皮的耳介迷走神経刺激が記憶を向上させる機序。
本研究では、事象関連電位P300およびP600という脳神経活動の機能的状態を代替的に示す指標を用いて脳機能の変化も確認しました。本研究の結果では、経皮的耳介迷走神経刺激がP300およびP600に与える影響が認められませんでした。この理由には経皮的耳介迷走神経刺激の刺激強度が個々によって十分でなかった可能性があります。

◆研究者のコメント
経皮的耳介迷走神経刺激は簡便に使用できるニューロモデュレーションです。認知機能に対するリハビリテーションへの応用が期待されており、今後更なる普及が待たれます。

◆原論文情報
Annaka H, Saitou M, Hiraoka T, Nomura T. Effects of transcutaneous auricular vagus nerve stimulation on associative memory, event-related potential P300 and P600: a single-blind pilot experiment on healthy adults. Exp Brain Res. 2025;243(11):222. Published 2025 Oct 5. doi:10.1007/s00221-025-07171-z