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【創立記念日】大学モニュメント「ももたろう」――実は“チーム医療・医療福祉連携”を象徴するシンボル

2026.06.17

新潟医療福祉大学の正門前に設置されているモニュメント「ももたろう(桃太郎)モニュメント」。
このモニュメントには、単なる昔話ではなく、大学が掲げる「チーム医療・医療福祉連携」と「連携教育」の理念が込められています。
モニュメントに込められた想いについて、初代学長・名誉学長 髙橋榮明先生にインタビューしました。


モニュメントの前で語る、“連携教育”への思い

―なぜ「ももたろう」という作品を選ばれたのでしょうか?
「どういうものを作るか、いくつかのアイデアが出たんです。そのなかでももたろうを選んだのは私なんですよね。」

桃太郎に決めた理由はなぜでしょうか?
桃太郎の童話はチーム医療・医療福祉連携を表していると考えました。桃太郎が犬と猿とキジを連れて、チームを作って鬼退治をする。それらに含まれているのは、チーム医療・医療福祉連携を実践する各専門職種、それから桃太郎がリーダーシップを発揮して課題を解決することです。」

―しかし当初、この考え方には誤解もあったようですね
「最初にこのモニュメントについて言い出した時に誤解されたことがあったんです。“医師がヒエラルキーのトップで命令するようなものじゃないか”と言われたんです。
でも決してそうじゃない。」

―「桃太郎=医師」という固定的な役割ではないということでしょうか?
「病気なら医師がリーダーかもしれない。でも、リハビリが必要なら理学療法士が桃太郎になる。
摂食嚥下障害なら管理栄養士や言語聴覚士が桃太郎になる。スポーツ選手は自分自身の栄養をコントロールできることが成績の向上につながります。
健康寿命の延伸との大きな課題は多種の専門職の協働と工夫で決まります。つまり、課題ごとにリーダーが変わり、それぞれの専門職が協働してリーダーを支え、課題を解決する―その象徴が桃太郎なんです。」

―「連携教育」とも深く結びついているんですよね
「本学は開学時の5学科から、現在16学科に発展しました。超高齢社会の日本にとって最も重要な『チーム医療・医療福祉連携』を学ぶこと、そして学べることは本学の教育でもっと大きな特色です。
専門職連携教育とは2つかそれ以上の専門職が、協働とケアの質を改善するために、『ともに学び、お互いから学び合いながら、お互いのことを学ぶこと』を意味します。
この2005年に設置された『ももたろうモニュメント』の作者はフランス在住、新潟市秋葉区出身の世界的に有名な彫刻家、原田哲男氏であり、学生や子供たちが自由に親しめる空間であってほしいという作者の意図でした。
世界中でただ1か所、この図書館の前にある『ももたろうモニュメント』を在学生の皆さんは訪ね、そのモニュメントの意義を考え、その前で写真を撮り、そこでランチを食べ、そして卒業生、そして本学を目指す中高生、そして保護者の皆さまにもこのお話をお伝えください。」

インタビューの最後には、桃太郎に込めた思いを改めてこう語りました。
「『ももたろうモニュメント』――実は“チーム医療・医療福祉連携”を象徴するシンボルであり、どの専門職でも桃太郎となり、貴方を必要とする課題によって誰でもリーダー、ファシリテーター、フォロアー、メンバーなどになり、患者・対象者へのサービスの協働とケアの質向上に貴方の力が発揮できることです。」

◆彫刻家・原田哲男氏
1949年、旧新津市(新潟市秋葉区)生まれ。多摩美術大学で彫刻を学び、1973年に渡仏。以後、パリを拠点に創作活動を続けた。花崗岩や大理石を用い、愛や自然、調和をテーマとしたモニュメンタルな抽象彫刻を制作し、作品はフランスやデンマーク、日本各地に設置されている。国立ベルサイユ高等建築大学助教授として後進の育成に尽力したほか、新潟・フランス協会パリ支部長、新潟日報社国際交流拠点欧州事務所代表を務め、日仏交流の発展にも貢献した。2024年、パリ市内の自宅で死去。75歳。

 

◆新潟医療福祉大学初代学長・名誉学長 髙橋榮明先生
1933年山梨県生まれ。新潟大学医学部卒業後、同大学医学部整形外科教授を歴任。2001年、本学の初代学長に就任し、2010年の退任まで建学の礎を築いてこられました。同年に瑞宝中綬章を受章。
現在は、本学名誉学長のほか、新潟大学名誉教授、新潟リハビリテーション病院・新潟骨の科学研究所の顧問を勤めていらっしゃいます。